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ホームステージングとは? 不動産価値を高める最新手法

インテリア家具のラフスケッチとペン




1. ホームステージングの基本

ホームステージングとは、売却予定の住宅や賃貸物件を、購入希望者や入居希望者に魅力的に見せるための空間演出のことです。家具や照明、小物を配置してモデルルームのように整えることで、「ここに住みたい」と思わせる効果を狙います。

単に「部屋を飾る」のではなく、不動産の価値を最大限に引き出すマーケティング手法として位置づけられています。



2. ホームステージングの歴史

ホームステージングの考え方は1970年代にアメリカで始まりました。

当時、空き家状態の物件がなかなか売れず困っていた不動産業者が、家具や装飾を入れて「住まいのイメージ」を演出したところ、成約がスムーズに進むようになったのがきっかけです。

その後、欧米では急速に普及し、現在アメリカやカナダ、イギリスなどでは 中古住宅販売の約70〜80% にホームステージングが活用されていると言われています。

一方、日本では2010年代以降に導入が始まったばかりで、まだ普及率は数%程度に留まります。しかし近年、中古住宅の流通促進やリノベーション市場の拡大とともに、ホームステージングへの注目は急速に高まっています。



3. ホームステージャーという職業

ホームステージングを実際に行う専門家を 「ホームステージャー」 と呼びます。

彼らはインテリアコーディネーターやデザイナーとは少し異なり、「生活者目線で不動産の魅力を最大化する演出」を専門とする職業 です。

欧米では「ホームステージャー」という職業が確立され、インテリアの知識を活かして不動産価値を高めるプロとして活躍しています。日本でも徐々に認知が広がりつつあり、インテリア業界での新しいキャリアパスとしても注目されています。


ホームステージャーの役割

  • 物件のターゲット(若い夫婦、子育て世帯、シニア層など)を分析

  • 家具や小物を選び、生活感と洗練さのバランスを演出

  • 不動産会社や売主と連携して販売戦略に貢献

日本では「日本ホームステージング協会」が資格制度を設け、プロとして活動する人材育成を行っています。



4. ホームステージングがもたらす効果


  • 売却スピードの向上

欧米の調査によると、ステージング済みの物件は 平均で30〜50%早く売却が成立 するといわれています。日本でも同様の傾向が見られ、ステージング済みの物件は内覧者が「実際に住むイメージ」を持ちやすく、購入検討がスムーズになります。

  • 成約価格のアップ

米国全土の不動産協会(NAR)の調査によれば、ステージングを行った住宅は 6〜10%高い価格で売却されるケースが多い と報告されています。日本においても「値引き交渉が少なくなる」傾向があり、結果的にオーナーにとって有利な取引を実現できます。

  • 競合物件との差別化

空室や雑然とした室内より、センス良く整えられた写真の方が圧倒的に目を引きます。ホームステージングは「最初の数秒で選ばれる」ための強力な差別化戦略になります。

  • 賃貸・民泊物件の稼働率向上

ホームステージングは売却だけでなく、賃貸・民泊物件でも効果を発揮します。内装の工夫によって「写真映え」が生まれ、予約率や稼働率が向上するのです。特にAirbnbなどの民泊市場では レビューや予約数に直結 するため、オーナーにとって大きなメリットがあります。



☞次の記事では、「ホームステージャー」という仕事について深掘りし、実際に見てきた海外不動産ステージング事例をご紹介します。








 
 
 

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